よくある質問と回答:
年金制度の疑問を解消する
国民年金と厚生年金の切り替えや、家族の扶養に関するルールなど、制度の運用面では多くの疑問が生じます。ここでは、当編集部に寄せられる一般的な質問の中から、特に重要度の高いものをピックアップして解説します。制度の基本的な考え方を理解するための補助としてご活用ください。
退職して翌月から別の会社で働く場合、手続きは必要ですか?
制度の切り替えと空白期間
同月内に再就職し、厚生年金の加入期間が継続する場合は、新しい勤務先が手続きを行うため本人による特段の対応は不要なケースがほとんどです。
しかし、退職から再就職まで1日でも空白がある場合や、月をまたぐ場合は、その期間について国民年金への切り替え手続きが必要になることがあります。
退職日の翌日から再就職の前日までの間に生じる空白期間は、国民年金の第1号被保険者としての加入が求められる場合があり、市町村役場での手続きが必要になります。手続きの期限は原則14日以内です。空白期間中に未加入のまま放置すると、将来の受給額に影響するため、退職前に加入予定月を確認しておくことが望ましいでしょう。
パート収入がいくらを超えると扶養から外れますか?
第3号被保険者(扶養)の条件
一般的に「130万円の壁」として知られていますが、年収が130万円(60歳以上や障害者は180万円)以上になると第3号被保険者の認定から外れます。
また、勤務先の規模によっては「106万円の壁」が適用され、年収約106万円以上で厚生年金への加入義務が生じる場合もあります。条件は勤務先の状況により異なります。
106万円の基準は、従業員数501人以上の事業所で適用される制度上の条件です。この条件を満たす事業所で働く方は、年収が約106万円に達した時点で厚生年金の被保険者となり、自身の保険料負担が発生します。一方で、130万円の基準は扶養認定の上限として制度全般に適用される基準です。自身の勤務先の規模と適用される基準を確認しておくと、収入の境界で生じる制度の切り替えを事前に把握しやすくなります。
年金は何歳から受け取るのが一般的ですか?
年金受給開始時期の選択
現在の制度では原則65歳から受給が開始されます。ただし、希望すれば60歳から繰り上げ受給することも、最大75歳まで繰り下げ受受給することも可能です。
繰り上げると月々の受給額は減額され、繰り下げると増額されます。一度選択した受給率は一生変わらないため、自身の健康状態や生活資金の状況を慎重に考慮する必要があります。
たとえば65歳より前の60歳から繰り上げると、最大で受給額が約30%減額されます。逆に75歳まで繰り下げると、受給額は約84%増額されます。受給開始年齢によって月々の金額が大きく変わるため、退職後の生活費の見通しや他の収入源の有無と照らし合わせて検討することが実務上の基本となります。選択後は変更できない点にご注意ください。
若い頃に保険料を払っていない期間があります。今から払えますか?
過去の未納分への対応
国民年金保険料は、過去2年分までであれば遡って納付することが可能です。また、特定の承認を受けた期間(免除期間など)については、10年前まで遡って納付(追納)できる場合があります。
未納期間をそのままにすると将来の受給額が減るだけでなく、受給資格期間そのものが足りなくなるリスクがあるため、早めの確認が推奨されます。
受給資格期間は、老齢基礎年金の場合10年以上の加入期間が必要です。未納期間がこの資格期間の充足に影響するかどうかは、ねんきん定期便状や日本年金機構の記録で確認できます。追納が可能な期間には期限が設けられており、承認を受けた月から10年以内の手続きが必要になるため、早めの行動が実際の対応幅を広げる鍵となります。
老齢年金以外にどのような時に年金がもらえますか?
障害年金や遺族年金の受給
公的年金には、病気やケガで障害状態になった際の「障害年金」と、加入者が亡くなった際に遺族に支払われる「遺族年金」があります。
これらは老後の年金と同様に国民年金・厚生年金の2階建て構造になっており、加入していた制度によって給付内容が異なります。万が一の際の大きな支えとなる重要な機能です。
障害年金を受給するには、初診日に関する加入要件を満たすことと、一定の障害等級に認定されることが条件となります。遺族年金は、加入者の納付期間や死亡時の状況によって支給対象や金額が決まります。いずれも老齢年金とは別の要件で審査されるため、実際の請求時には加入記録の確認が重要です。制度の基本構造について詳しくは、制度の基本構造の解説ページも併せてご参照ください。
制度の基本構造を見る離婚した場合、相手の年金をもらうことはできますか?
離婚時の年金分割
「年金分割」という制度があり、婚姻期間中の厚生年金の納付記録を夫婦間で分割することが可能です。
これはあくまで厚生年金の報酬比例部分が対象であり、国民年金(基礎年金)部分は対象外です。分割には合意または裁判所の手続きが必要となる場合が多く、将来の受給額に直接影響を与える重要な手続きとなります。
分割の対象となるのは婚姻期間中に生じた納付記録のみで、離婚後の納付記録は各自に帰属します。手続きには日本年金機構への「年金分割の請求」が必要で、合意分割と法定分割の2つの方式があります。分割の割合や対象期間は記録上の事実関係に基づき決定されるため、請求前に自身の年金記録を確認しておくと手続きの見通しが立ちやすくなります。
解説内容についてさらに確認したい場合
このページの解説は一般的な制度の仕組みに基づくものであり、個別の加入状況や受給額の試算には対応していません。本サイトの編集方針や掲載内容についてご質問がある場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
国民年金・厚生年金比較ガイド編集部
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